前書き:20125月から10月まで,当時の学部4年であった辻井・栗原・清水・小畠と愉快な仲間たちで
    伊豆諸島を定期的に調査していました.

島によって写真が少ないこともありますが,ご容赦ください.

なお,毎週金曜日に随時アップしていく予定です.(昨年度,昆研日誌で定期連載していた某週刊ページを見習います.)

 

 

201252日の昼前に伊豆大島へ上陸.

このときのメンバーは辻井(筆者)と栗原の2人.

2011年の9月に合宿で訪れて以来の大島だが,今回は合宿で利用した「海のふるさと村キャンプ場」が,
ゴールデンウィーク中のため宿泊できず,「もりおの家」に宿泊.

到着した日は生憎の悪天候だったので,まずは島を車で移動しながら環境を確認.

しかし,山へ行くとどこもかしこも深い霧で何も見えず1日目は栗原が必要な材を回収後,宿に帰り2日目に備えて睡眠というだけになりました.

2日目は,宿の周りを見ると案外環境がいいかもしれないと考えて,宿の人に了解を得てマレーズトラップを1基とイエローパンを15基,FIT4基設置させていただくことにした.

朝も雨が続いていたため,昼ごろにやっと本格的に採集開始.

採集しながらマレーズをもう一基仕掛けれそうなところを探し,もう1基のマレーズは普通地域の山に設置.

トラップを各地点に設置後は任意採集をしつつ,栗原の材採集のお手伝い.

3日目はひたすら採集.

快晴だったので,町中もコマルハナバチやニッポンヒゲナガハナバチが乱舞しており,数匹ずつ回収してから大丸山を登っていき,2011年の夏合宿で良かった林道へ.

こちらもハナバチが乱舞していた.

しばらく採集をしてみるが,有剣類に関してはほとんどがハナバチ類で,今回筆者の目当てのセイボウ上科が見当たらない.

ここで一度山を降りて,海辺に行くことにする.海沿いの草地でスウィーピングをしばらく続けるとここでようやくムカシアリガタバチを採集.

その後,再び山に登り少し暗い林道で栗原とともにスウィーピング.ここでもムカシアリガタバチを捕獲した.その林道を後にして別の山に向かっていると車を運転中の栗原が挙動不審になりながら「なーんか首のあたりがチクッとしたと思ったんだけど,辻井,これ,アリ?ハチ?などと言ってくる.

なんと栗原の首にホソアリガタバチがついていたのである.

しかも,これで終わる栗原ではなかった.

1時間後,宿に帰る最中に栗原が再び一言.

「辻井さん,この俺の左手についているのはハチ?アリ?」

「なんでやねん!!」

またもホソアリガタバチである.栗原式誘引トラップと名付けた.(この後も順調にホソアリガタバチを栗原は体に付け続けた.)

()採集中の写真ではないですが,こいつが栗原式誘引トラップの材料となる栗原です.

()実際に栗原の体についていた個体ではないですがこちらがホソアリガタバチ.

4日目は,栗原の材採集をしながら前日までは回らなかった地点へ.

栗原は材を大量に得て満足げ.筆者も栗原の材採集によって得られるアリガタバチのことを考えれば満足していた.

宿へ帰ってイエローパン・FITを確認.

こちらはなかなかの成果.宿の裏手にすぐ森林があるからなのか,この宿のイエローパンとFITはアリガタバチ類及びコオロギバチ類で面白いものがいくつか見つかった.

いよいよ帰宅前日の5日目.

15時までは採集をし,その後はトラップの回収.

宿へ帰ってイエローパンとFITを回収していると,雷が鳴ったと思ったら大雨.

ある意味天候に恵まれた.採集中に降らなくてよかった.

そして,筆者らは一旦本州へと戻っていきました.

伊豆諸島(御蔵島・八丈島5月編)へ続く...








伊豆諸島採集記(5月伊豆大島編)